2017.01.05

【インタビュー】賃貸でもできる、自分好みの暮らし。ハプティック株式会社 小倉弘之社長

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「どこにもないふつう」をコンセプトに賃貸住宅のリノベーションを手がける、ハプティック株式会社の小倉弘之社長。
リノベーションブランド「TOMOS」では、「ハプティック(=触れ心地)」の名前通り、優しい手触りが心地いい無垢フローリングを使った住まい作りを定額制で行い、新サービス「conomy」では、入居者が手軽にカスタマイズできるリノベーションプランを展開。

常にユーザー視点で住環境の向上を目指し、起業7年のベンチャーながら注目を集め続ける小倉社長に、事業を始めたきっかけから、今後の展開などについてお話をうかがいました。




──起業のきっかけについて教えてください。

自分が大阪で賃貸物件を探していた時、なかなかいい部屋がないなぁという不満があったんです。世の中にいい部屋がないなら、自分達で作っていこうと考えました。

インテリアが好きなのですが、いい家具を置いても床材がチープだと空間が映えないんですよね。照明も同じで、シーリングライトの蛍光灯で一面明るく照らすより、ランプの灯りだけの方が映えるんです。賃貸だと、どうしてもクッションフロアのような最低限の素材で作られてしまっているんですよね。そういう所を自分で手を入れてみようと思ったのが今の事業のきっかけに繋がっています。


──有孔ボードや、棚などは施工会社からすると入居者さんの暮らしやすさを考えて設置していると思いますが、実際に使ってくれているかどうかは確認されるんですか?

TOMOSの企画で、入居者のお部屋に遊びに行ったり、話を聞きに行ったりしていると意外と活用してくださっている方は多いですね。有孔ボードも、人が多く出入りする所や廊下などの幅がない所につけても活用されないので設置場所には気を使っています。




──経年劣化をヴィンテージとして捉えられていますが、床が傷ついた時に原状回復はされますか?

経年劣化による味だとは言うものの、汚い傷は補修していますね。傷ついたままがOKかというと、オーナーさんにはNOと言われてしまうので。サンダーとオイルがけをして綺麗にはしますが、補修までしないといけないものはそんなに多くはありません。



──長い目で見たら経年劣化もマイナスではないということでしょうか。

そうですね。長く使うほど味が出てくるという言い方はお客様もしていますし、無垢が古くなったら貼り替えるという話ではありません。



──グッドルームを作ったのはなぜですか?

入居者の募集が大変だったんです。いくらいいものを作ったと思っても、何もしないと検索されないので。自分でメディアを持ってやらないといけないと思いました。
グッドルームのスタッフに不動産の仲介経験者はいません。ただ、経験していないというのは弱みではありますが、同時に強みでもあるんです。いい部屋を提案するという姿勢は皆持っていたので、そこがいいポイントですね。



──ご両親から何か影響されたことはありますか?

両親は建築業界とは関係ありませんでしたが、旅行先で建築物を見ることが好きで、そういう点からは幼少期に影響された部分がありますね。父も経営をやっていたので、いずれ自分もどこかで会社を始めるだろうとは思っていました。






──会社のシステムを作るのってお金がかかりますよね。

かかりますね。人件費で何千万とかどうしてもかかってしまう。システム構築と、現場工事は意外と似てますよね。多重の下請け構造というか、専門職としてのプログラマーだったり、大工だったり。プログラマーも何種類かのプログラマーがいて、このプログラムはやるけどこっちのコードは書かないとか、大工も工事はやるけどタイルは貼らないというような。全部色んなことが同時にできますという人が少ないんです。



──人件費というと大工さんを雇っているところが大きいんですか?

そうですね。そこは逆に強化していかなきゃいけないなと思っています。毎年新卒で大工を1、2人は採っていきたいですね。今は1年目から3年目までいて、全員残ってくれています。すごくありがたいです。
女性が床貼りなどもしているんですよ。


──「同棲ホケン」キャンペーンは面白い試みですね。これには火災保険も含まれているんですか?

カタカナで「ホケン」と書いてあるように、厳密に同棲保険と謳ってしまうと、保険業法との絡みが関わるらしく、あくまでキャンペーンという要素でやっています。2人暮らしの方が結構お部屋を探していらっしゃったので「こういうのついてたらどうですか?」というネタ的な形でやっています。同棲解消ホケンで何万円貰うという話ではありません。



──VRヘッドセットを使った内覧体験は斬新でした。

自社のリノベーション物件はそれぞれが離れた場所にあるので「これだったら見に行かなくていいかな」という、ふるい分けができるんじゃないかと思ったんです。
最終的には現地を見に行くことになりますが、例えば大宮と三鷹に物件があった時、「大宮は違うかな、三鷹だけ見に行けばいいかな」と選択肢を少なくできる手段としてはいいんじゃないかと思います。今は完璧に運用はできていませんが、用意はしています。



──VR内覧もそうですが、今は昔と比べて少しずつお部屋の探し方が変わってきていますよね。

自分も部屋探しをしていて、いいと思えるものがなかったからこそ自分でリノベーションしましたし、今後は入居者さんの要望に応じた部屋を作れる賃貸サービスがもっと普及していけばいいですね。そうすれば、既にできあがっていう部屋を借りるのではなく、その人の好みに合った部屋に暮らせると思います。



賃貸でも自分らしい暮らしができる





──賃貸リノベーションはまだまだニッチな文化ですが、今後はどういった展開を?

入居者さんに壁紙の色やスイッチなどの小物を選んでもらえる「Conomy(コノミー)」というサイトを先月スタートさせました。分譲のリノベーションだったら自分の好きなようにできますが、賃貸だとリノベーションはされていても自分の好みを入れられない。それを仕組み化して広げて行きたいと思っています。

賃貸物件に住んでいた時、自分でリノベーションをしてみたら楽しくて。でも木材を買ったり、組み立てたりするのを全て一人でやるのは大変だと感じたんです。そこでセレクト型の商品展開をやろうと思いました。

賃貸のリノベーションというと皆さん敬遠しちゃうんですよね。会社としては分譲のリノベーションをどんどんやっていった方が儲かりますが、20~30代の人がいきなり家を買えるわけではないので。家を買う前にますば、賃貸でも自分らしい暮らしができるんだということを試してもらいたいと思っています。

今後全国に出て行く為のステップとして、東京、大阪、名古屋に続き「グッドルーム福岡エリア版」をリリースしました。地方が成功したとはまだ言えませんが、少しずつ広がっていっています。東京の方がマーケットは広いですが、今後は東京以外にもリノベーションを広げていきたいと思っています。


──東京で始めたことの逆バージョンをやっているんですね。

大阪と名古屋はまだまだなんですけどね。人口比で言っても東京の10分の1もいっていないので、そこはもう少ししっかりやっていきたいです。ハプティックではなくグッドルームで展開していって、広まったらリノベーションをやっていきたいですね。




◆ハプティック株式会社
http://www.haptic.co.jp/

◆グッドルーム株式会社
https://www.goodrooms.jp/

◆conomy
https://conomy.jp/

◆TOMOS
http://www.haptic.co.jp/tomos/

ライター

ローカルデータ編集部

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