2017.01.11

【インタビュー】生活をイメージして施工する大工職人、藤岡巧貴さんインタビュー

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家は長い時間を過ごす大切な場所。でも、どんな人が作っているのか知る機会ってなかなかないですよね。職人インタビューでは、現場で活躍されている人達をクローズアップ!今回お話をうかがったのは新築とリフォームの改修工事をメインに担当している大工の藤岡巧貴さん。幼いころからモノ作りが好きで、その土地で大工になったそうです。





全ての基本は下地作りにある



「とにかく下地が大事です。」そう語る藤岡さんは仕事に対する姿勢がとてもストイック。自身のスキルアップを常に意識し、どんな作業に対しても全力で、完成後には見えなくなる下地部分も丁寧に作業にあたります。


床板を撮影していると、さりげなく木屑を掃いてくれたり、ノコギリを使うときに「粉が出ますが大丈夫ですか?」と気遣ってくれたり、インタビュー中も心配りを忘れません。そんな藤岡さんが生み出す内装はご本人そっくり。住人の気持ちにそった、細やかな配慮がすみずみまで行き届いているものでした。



求められるものに対して常に全力


──作業をされていて大変なことってありますか?

依頼主のこうしたいというイメージに近づけることが大変です。賃貸物件の場合だと住まわれている方達の迷惑にならないように、気を遣っていますね。


──リノベーションをしていて楽しいと思うことはありますか?

普通のリフォームとは全く異なるので、作っていて楽しかったり、やりがいがありますね。完成したときの感動もありますし、お客さんに喜んでもらえるとやってよかったなと思います。


──どんな想いを込めて作業にあたっているんですか?

賃貸の場合誰が住むかわかりませんが、実際住んだらこうしたほうがいいだろうと、住む人の立場や観点を意識しています。


──仕事をされる上で大切にされていることは?

手を抜かない、妥協しないことですね。中途半端は嫌なので、作るものに対しても求められるものに対しても常に全力でやっています。


──素晴らしいこころがけですね!それはお仕事をされた時からずっとその気持ちでいたんですか?

正直、最初は覚えることでいっぱいいっぱいで。仕事を覚えて、責任のある仕事を任されることが徐々に増えてから意識が変わりました。



仕事を支える愛用の工具たち


──お仕事中使っている道具はどんなものですか?

コードレス丸鋸(まるのこ)を最近調達しました。壊れちゃうんですよね、使っていると。半年くらい前に買ったのも壊れてしまって。壊れちゃ買い壊れちゃ買いで、道具の種類が多い分お金がかかります。あとはインパクトと鉄砲、何かを固定するときはビスを使ったりします。



▲木材をカットするときに使う丸鋸(左)、ネジ締などに使うインパクトドライバ―(右)



▲空気圧で釘を打ち付ける鉄砲(左)と、木材の角を削る為のカンナ


──お気に入りの道具はありますか?

ノミセットと砥石(といし)ですね。親方からのおさがりで、お気に入りです。階段をやり始めたときくらいですね。今は違うかもしれませんが、階段を作れるようになったら一人前だといわれています。そういう難しい作業を担当させてもらったときにもらいました。階段は理解してないと作れないと思いますね。今はプレカットというある程度刻まれてる、プラモデルのような材料を使うんですけど、説明書があっても構造をわかっていないと意外と作れないんです。



──壁に木材を貼る時に、どんなことにこだわっているんですか?

とにかく下地が大事です。ここの場合は元々壁があって、それが平らだっから構わず貼っていきました。でも賃壁(昔のおばあちゃん家の砂がざらざら落ちてくる壁)は左官屋が塗るんですが、あまり平らじゃないことが多いので、真っ直ぐにしてから貼ります。色んな方法がありますが、その場にあったやりかたで平らにしていきます。下地がしっかりしてないと、表面に出てくるんですよ。いくら綺麗に貼っても段がついたりとか、うまく貼れなかったりして、結局作業が遅くなっちゃうんです。

あとは、節の位置に気をつけて、バランスが悪くならないように散りばめています。木にも色々種類があって、表情が違うんです。同じ柄はひとつもないんですよ。




▲手際よく作業をされる藤岡さん。疑問に感じた点を依頼主に確認しているところ。

──施工は朝早くからやってるんですか?

基本的には朝8時から6時ですね。6時に終わって片づけ始めたら6時半で。仕事が終わったら次の日の段取りをしています。僕は埼玉から来ていて東京まで2時間くらいかかるので、帰りに材料を買っていると家に着くのは9時くらいですね。次の日は5時に起きます。そうしないと東京の現場までたどり着かない(笑)


──ご自身でご自宅を改装されたりしますか?

はい、します。古い家を買ったのでキッチンを入れ替えたり、お風呂を作ったりしました。お金もなかったですし、自分でやればいいやと思って。


──日々の暮らしの中で心がけていることはありますか?

体調管理と、自分のスキルアップを常に意識してますね。何事も勉強というか、教えてくれる人に対してしっかり話を聞くとか。普段一人で仕事をしていますが、難しいものは知り合いの大工さんに頼んだりするんです。

僕は在来工法っていうジャンルの大工で今30才なんですけど、在来工法の中でももっと経験を積んでいる人達と付き合いをさせてもらっていて。その人たちと一緒に仕事をさせてもらえるときは、疑問を感じたら質問したりだとか、そういうふうにしてますね。人によって仕事のやり方が違うので、いいか悪いか見極めて、吸収するのかやめるのか自分で判断しながら、いいほうへいいほうへと進んでいます。

※在来工法:在来工法は古来より伝わる木造建築の工法を踏襲した工法。 木材の意匠や木目の美しさ、棟梁の匠の技が活かされる工法です。在来工法の最大の特徴は、建物の出来が大工の腕前にかかっているという点です。
引用元:http://www.freedesign-home.net/construction/zairai.html




施工を依頼したリノベーションタイムの蒲谷代表はこう語ります。「下地作りは工事の基本。基本をサボる人がいい仕事できないのと一緒で、基本がしっかりしてると大体うまくいく。巧貴君の仕事は、見えないところもちゃんとやってくれてるから、急な変更があったとしても、もう仕上げで行こうってなってもいけちゃう。雑にやってたらだめなんだけど。このぐらいわかんないだろうと適当にやるのは人間の弱さなんです。それがあると作業にも出ちゃう。でも巧貴君の内装には弱さがでてないでしょ?内装には人間性が出てくるんです。」

ライター

ローカルデータ編集部

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