2017.02.03

【インタビュー】下北沢の個性派帽子屋さん「バルサラス」嶋根秀一さんインタビュー

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下北沢南口商店街を抜けたところにあるオシャレな帽子屋さん「Bulsaras.(バルサラス)」。ウッド調であたたかみのある店内にはグリーンが茂り、森の中に迷い込んだかのような気分にさせてくれます。商品は男性用、女性用、ユニセックス用と多くそろえられているので、きっと気に入るものがありますよ。中には、オーナー自身がデザインと制作をおこなった世界でひとつしかない帽子も。撮影中にかぶられていたデニム地の帽子も手づくり品なんだそうです。他の人と差をつけたいかたは是非チェックしてみてくださいね。それぞれに付けられた手書きのポップも一見の価値アリです!

今回はオーナーの嶋根秀一さんに下北沢のことや、1点モノの帽子に対する想いをうかがいました。








──なぜ下北沢でお店を出そうと思われたんですか?

下北沢が好きだからです。足立区出身なんですが、下北沢の渋谷でも新宿でもないフランクな雰囲気が好きで。下北沢に住んでもう20年になります。



──お店をこの場所に選ばれたのはなぜですか?

14年前、ここは不動産屋さんだったんです。店主さんに「1階でお店を出すのにいい場所はないですか?」と聞いていて。なかなかいい物件がなかなか見つからず、1年ほど通っていたら次第にご飯をおごっていただけるようになって。そのかたがご年配のかたで現役を引退されるとのことで、「物件が見つからないならここでやりなよ」と言ってくださったんです。それで始めたのがバルサラスですね。2017年3月30日で開業から14年目になります。



──最初から帽子をメインで扱っていらっしゃったんですか?

半分は古着でした。もともと古着屋で働いていたので、帽子屋にしようか古着屋にしようか考えたときに両方やってしまえと。だんだんと帽子を気に入っていただけるようになって、とうとう古着が縮小し今のように帽子がメインになりました。古着の生地が好きなので、はぎれを使って帽子を作ったりもしています。



──パターンを作られてらっしゃるとか。

そんなおおげさなことじゃないんですけどね。型取って修正しての繰り返しです。CADみたいな感じではないです(笑)



──何か服飾の勉強をされていたんですか?

全くしてこなかったんです。学校に行っていたら楽しみが減っちゃって、もしかしたら帽子をつくるようにはなっていなかったかもしれないですね。ものをつくるのって楽しいじゃないですか。店に置いている帽子は楽しさ100%でつくったものなので。学校に行っていたら違うことも勉強できたと思いますが、今こうしてここにいると考えると行かなくてよかったと思いますね。








──デザインをするときはどんなことに気をつけていらっしゃるんですか?

絶対1点モノにしたいというポリシーがあります。どこにもないものをつくりたくて。どうしてもパターンが一緒になってしまうことはありますが、ひと目で1点モノだとわかるようなものを1個1個ハンドメイドでつくっています。その分、量産品のように早くはつくれないですね。厚みのある生地はちゃんと縫えるように裁断しなければいけなかったり、平面的な生地よりは時間がかかってしまいますね。



──1点モノの割合はどのくらいですか?

セレクトアイテムも入れていかないと追いつかないので、全部というわけではありません。日によりますが、1割に満たないときもあります。気に入ってくれた方がまとめて買ってくださったりすると、最悪1個になっちゃいます。必ず1個は置いておくようにしているんですが、買っていただいた瞬間はなくなってしまうこともあると思います。しばらくお客さまが来ないと、どんどんつくれて増えていったりするので、そのときどきで置いている数が異なるんです。メンズ向けでつくった帽子を女の子に買っていただいたり、ちょっとフェミニンにつくったものが男の子にウケたりして、面白いです。



──店内が森みたいでかわいらしいですね。

ウッディな感じにしたくて、その繋がりで緑も置いています。木だけよりは緑もあったほうがいいと思って。椅子を置いたり、お茶を出させていただいたり。くつろいだ中に帽子があるような感じにしたいんです。古着の仕入れのときにキャラクターの置き物ももらってきて置いてます。楽しんでもらえると嬉しいですね。









──仕入れはどちらで?

帽子に関してはいろんなところからです。展示会に行って買い付けたり、メーカーから買ったり。帽子は99.9%新品ですね。海外のもあります。ポルトガルの生地を使ったりとか、イギリスだったり、チェコだったりいろいろです。

普通のものを並べるよりは、わくわくして楽しめるようなラインナップにしてます。それぞれにポップをつけているんですが、気に入っていただけたらもう少し深く説明させていただいたりもしています。ポップは私も描きますが、ほぼスタッフが描いていますね。



──下北沢でお店を出されてみて、いかがですか?

フランクというか、すごく面白いですね。みんな仲間みたいな繋がりがあるのでありがたいです。周りのお店とも仲がいいですし、みんなシータ(看板犬)をかわいがってくれていて。リードの留め具がはずれちゃって7回脱走しているんですけど、毎回周りのお店が助けてくれました。「おたくの犬がここに逃げてましたよ」って。シータは有名人なので(笑)






▲看板犬のシータちゃんのの名前は天空の城ラピュタのヒロインから。



──下北沢ではどんなところにごはんを食べに行かれるんですか?

お好み屋さんが好きです。だいこんまんとなんばん亭が美味しくてよく行っています。このへんはお好み焼き激戦区なんですよ。



──下北沢でお店を出す前と、出した後でなにか変化はありましたか?

下北沢に来たのは15年以上前ですが、相変わらず楽しいです。昔は北口の古着屋で働いていたんですが、当時と比べると街並みが全く違います。どの街も15年経てば変わると思いますが、立ち飲み屋もあったし、開かずの踏切もあった。渋谷や新宿にない風情がありますよね。ちょっと北千住っぽい。北千住で生まれ育ったので、馴染みがあるのかもしれません。



──下北沢以外にお店を出す予定はありますか?

機会があったら出したいです。面白い人たちがいるところが好きなんですよね。下北沢にはいっぱいいます。今から10年近く前ですが、ハロウィンが盛り上がる前からみんな仮装をしていたんですよ。今は渋谷がすごいですが、それよりも前からここで盛り上がってたんです。下北沢ならではじゃなくなってしまったのが少し寂しいです。渋谷は渋谷で楽しいと思いますけどね。10年前は私も仮装して働いていたんですけど、今は普通の格好です(笑)









──お仕事をしていて嬉しかったことはありますか?

自分がつくった帽子をかぶっている人と街ですれ違うと嬉しいです。やっててよかったなという気持ちになります。飲み屋に入ったら自分の帽子をかぶってくれている人に遭遇したこともあります。声をかけるかどうかはケースバイケースですね。向こうが盛り上がってたら邪魔しないようにはします。



──帽子をつくり始めようと思ったきっかけはなんだったんですか?

理由はありません。気づいたらつくっていたというか。あえてあげるとしたら当時から1個しかない帽子をかぶりたかったというのが理由ですね。誰ともダブらないのってよくないですか?

今後は1点モノのクオリティをあげたいです。帽子を見に来てくれたり、触ってもらったりして喜んでもらえたら嬉しいですね。これは開業当時からの目標です。「わ~なにこれ」って興味を持ってもらって、説明して、買ってもらって、使ってもらえたら嬉しいですね。





インタビューを終えて


近所で有名な看板犬のシータちゃん(おとなしくて美人!)に癒されながらの取材でした。店内は帽子がところせましと並んでいて、それだけでも楽しいのですが、ときどき帽子の間にキャラクターのフィギュアがひっそりと隠れていることがあって、森の中で妖精を見つけたかのようで嬉しくなります。「楽しんでもらいたい」というオーナーの想いが、帽子だけでなくお店の内装にも現れていました。








ライター

ローカルデータ編集部

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