2017.03.08

【インタビュー】最高品質のコーヒー豆が手に入る「筋金珈琲焙煎所」 古市敦さんインタビュー

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下北沢駅北口にある「筋金珈琲焙煎所」はモヒカンテンチョーこと、古市敦さんが経営するコーヒー豆の専門店。世界に流通しているコーヒー豆の中でも、最高品質を誇る「スペシャルティコーヒー」だけを扱っています。もともとはカフェとして喫茶室を開いていたそうですが、今は自家焙煎の豆の販売を強化しているそうです。

今回はオーナーの古市さんにスペシャルティコーヒーについて熱く語っていただきました。









──アンティークのインテリアが並んでいてどこか懐かしい雰囲気がありますね。お店のコンセプトはありますか?

「戦後に祖父がこの場所でバイク屋を開き、3代目の僕が修理屋をカフェに変えた」というイメージで内装を作りました。空想のテーマなので、実際にそういう歴史があるわけではありません。僕は古いものが好きで、趣味で買い集めたランタンやファイヤーキングなどを用い、昭和の日本と50年代のアメリカのカルチャーを融合させた世界観を構築しました。



──下北沢でお店を出したのはなぜでしょう?また、よく行かれるお店はありますか?

実家が代々木八幡で高校が鶴川だったので、放課後に下北沢で下車してよく来ていたんです。他の場所よりも土地勘がありましたし、割とこじんまりとした街なので渋谷のような都市部よりも治安がいいのも魅力に感じました。

高校時代に行っていた店はなくなってしまったんですが、ピーコックの2階の清龍苑という中華料理屋さんが好きで、ランチを食べによく行きますね。あとは味噌屋八郎商店という、一番街のモスバーガーの向かいにあるラーメン屋さんがとても美味しいですよ。









──お店、チェックしてみますね!どうしてコーヒー豆の販売を始めようと?

今はコーヒー豆屋なんですが、開業当時はコーヒーに特化したカフェとして始めました。その頃は焙煎をしておらず、他から仕入れた豆を使っていて。コーヒーが美味しいからという理由で豆を買われていく方が多いことに、何か釈然としませんでした。なぜうちで買われていくのか、調べてみたら下北沢でスペシャルティコーヒーを扱っている所が他にないからだと気づきました。

それなら美味しい豆を売る店になった方がいいだろうと思い、焙煎を始めたんです。カフェ・ユーズの頭に「自家焙煎珈琲豆屋」の文字を入れたのはそこからですね。(※現在は「筋金珈琲焙煎所」に改名されました。)喫茶室があるといつまでもカフェだと思われてしまうので平日は閉めています。



──お店を始める前に何か下準備はされましたか?

いろいろな場所でカフェ巡りをしました。でも、どこに行ってもまずいコーヒーばかりを飲まされて、疲れてしまっていましたね。そんな時、とあるスペシャルティコーヒーの専門店で飲んだコーヒーがとても美味しく、「世の中にはこんなに美味しいコーヒーがあるんだ」と感銘を受けました。それがきっかけになり、最高に美味しいスペシャルティコーヒーを出すカフェをやろうと方向性が決まりました。



──スペシャルティコーヒーってそんなに美味しいものなんですね。普段気軽に飲んでいるコーヒーと比べるとどのくらいの違いがあるんでしょう。

日本に入ってくるコーヒーの総量を表にすると、こんなヒエラルキーになっています。
うちで扱っているのがトップにある最高品質のスペシャルティコーヒーです。




▲モヒカン店長直筆の品質表。


1 スペシャルティ(最高品質) ・・・ 本当に美味しいコーヒー豆
2 プレミアム(上質) ・・・スターバックス、デパート
3 普通(コマーシャル) ・・・ スーパー、コンビニ
4 工業用 ・・・ 缶コーヒー、インスタントコーヒー


スペシャルティの底辺が僕の立ち位置なので、それ以下は視野に入れていません。

世の中は缶コーヒーで満足している人がほとんどですよね。もともと僕自信もコーヒーにこだわりがなかったので、大多数の人と同じように「普通」の位置に立っていると思っていました。

でもお店を始めて十何年が経ち、求めている美味しさが全く違うことに気がつきました。今後は自分と同じように、「普通」のコーヒーが美味しくないと感じている人たちに向けて、本当に美味しいコーヒーを提供していかなきゃいけないと思っています。

立ち位置の違う人に「スペシャルティコーヒーはとても美味しいんですよ」と伝えても、なかなかわかってもらえません。料理も食べ慣れないと違いがわからないですし、難しいのかもしれませんね。






──普通のコーヒーと品質の高いコーヒーの違いはどんなものでしょう。

抽象的ですが、ひとつの豆の中に含まれている美味しさの量で決まります。上質であればあるほど美味しさが詰まっているので、それをどう引き出してあげられるかが焙煎する人の手腕にかかってきます。同じ材料を渡しても美味しい料理を作れる人とそうでない人がいますよね。コーヒーも同じで、美味しく焙煎できる人とできない人がいる。全ての人ができるわけではないから、美味しくないコーヒー屋さんがいっぱいあるんです。

ミルクや砂糖を入れないと飲めないコーヒーというのは僕からしたらありえません。コーヒーはストレートで飲んだ方が一番美味しいんですよ。ミルクや砂糖を入れると、どれも同じ味になってしまって、せっかくの美味しさの違いがわからなくなってしまう。僕の中でカフェラテは牛乳を美味しく飲むものであって、コーヒーを美味しく飲むものではないと思っています。



──美味しく焙煎できるかどうかという技術は、勉強したら会得できますか?

参考書があるわけではないので、味覚が育っていないとできないと思います。僕は幼少期、外食好きの父に連れられてよく寿司やフランス料理を食べに行っていたので、自然と味覚が鍛えられました。食歴が良かったんでしょうね。

同じ白身魚でもカレイとヒラメで味の違いがあるのがわかるのと同じように、豆によって味の違いがわかるものなんですよ。でも良質なものでも食べ慣れないと味の違いがわからない。

スペシャルティコーヒーの面白いところはアプローチの仕方が違うと、味が変わってくるところです。一定の温度で焙煎するのと、高温から低温に変えていくのでは、見た目の色は一緒でも味が全く違うんです。

うちはグループで豆を仕入れているんですが、同じ豆を使っていても人それぞれ才能が違うので、同じ味になることはありません。日本人が美味しいと思うのは、出汁の文化。コーヒーでも旨みを大切にしています。豆の素材が良く、焙煎も良ければ旨みも良く出るんで。



──なるほど、旨みですか。

コーヒーは料理、特に洋食だと思っています。洋食は外国から入ってきたものを、日本人の味覚に合わせてブラッシュアップしているものだと思います。ナポリタンスパゲッティだったり、カレーライスだったり、もともと外国の料理だったものが今では日本人のソウルフードになっています。一口飲んで「美味しい」と思えるのが、日本人にとって美味しいコーヒーだと思うんですよ。珈琲という漢字があるくらいなので、もう日本食なんだと思います。






▲ハンドピック中の様子。「虫食いのものや、石やホコリなどの異物を取り除きます。そういうものがちょっとくらい入ってても、わからないだろうという考えのコーヒー屋さんが多いんですよ。味の云々以前に、そういうものを混ぜたまま焙煎する愛のなさが嫌です。」とモヒカンテンチョー。



──スペシャルティコーヒーの美味しさに慣れない方でも、良質のコーヒーを飲み続けたらわかるようになります?

そうですね。先ずはブレンドコーヒーを飲んでもらい、飲みなれてくることにより自分なり の味の基準ができます。ブレンドの味に慣れたところで次にストレートコーヒーを飲んでもらう。すると、今まで違いの判らなかったストレートコーヒーの味の輪郭がはっきりと わかる様になるはずです。



──勉強になりました、ありがとうございました。最後にトレードマークであるモヒカンについて教えてください!

高校生の頃からやっていました。ここ10年くらいでサッカー選手がやるようになったので、今はそんなに驚かれないと思いますが、当時はソフトモヒカンなんてない時代なので、周りにはかなり驚かれましたね(笑)いつも同じだと飽きてくるので、色や形を変えたりするんですが、自分らしくていいかなと思います。

50才になって、残りの寿命も少ないし、もういいかなと思って仮面をかぶるのをやめました。店を始めた頃はジャズを流してみたりもしていたんですが、別に興味があるわけでもないし。仕事中に騒がしいのは嫌なので、今は何もかけていません。

ラベルの絵に関しても人に頼んで描いてもらうのもいいんですけど、自分で書いた方がわかりやすいし、それでいいかなって思います。自分らしさを出していきつつ、「下北沢でおいしいコーヒー豆屋さんといったら筋金珈琲焙煎所だ」と皆が言ってくれるようなお店になれたらいいなと思います。







インタビューを終えて



コーヒーを飲んで美味しいと感じたことがなく、好きになれない方は、もしかしたら品質のいいコーヒーに出会えていないだけかもしれません。本当に美味しいコーヒーを飲んでみたい方は、まずは淹れ方よりも豆の品質を気にかけてみて。ここ、筋金珈琲焙煎所でなら最高品質の豆を手に入れることができますよ。ぜひ足を運んでみてくださいね。






  • 筋金珈琲焙煎所


  • 住所東京都世田谷区北沢3-31-3
  • 最寄り駅京王電鉄・小田急電鉄「下北沢」駅 北口から徒歩6分
  • TEL03-3466-5058
  • 営業時間10:00~21:00
  • (喫茶室の営業は土日のみ、12:00~17:00まで)
  • ※今後、店名変更により喫茶室の営業時間が変更する場合がございます。
  • 定休日月曜日(祝日の場合は翌日休)
  • URLhttp://cafeuse.com/




ライター

ローカルデータ編集部

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