2017.03.22

【インタビュー】隙間も音楽として感じて欲しい。インストバンド「ニンニ(ninny)」みんみんさんインタビュー

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下北沢のスペシャルティコーヒー専門店、コフィアエクスリブリスさんを取材させていただいたときに、撮影のご協力をしてくださったスタッフのみんみんさん。普段は美味しいコーヒーを提供する店員さんとして働かれていますが、実はインストバンド「ニンニ」でメロディラインを担当するキーボーディストというもうひとつの顔を持っています。

今回のインタビューでは、ニンニとしてのみんみんさんに密着。ニンニの世界観から、オルガンとの出会い、幼少期の思い出まで、じっくりとお話を聞かせていただきました!




    ニンニプロフィール
    ニンニ(ninny)は、東京カランコロンのドラマー・かみむー氏、王舟・kate sikora・ビイドロ・大森元気などと数々のセッションを重ねるオルガン・みんみん、345(凛として時雨、geek sleep sheep)とのアコースティックユニット「ti-ti.uu」など精力的に活動範囲を広げているギター・なるけしんごの3人からなるインストバンドである。

    引用元: http://ninny.tokyo/profile/
    公式ページ: http://ninny.tokyo/






▲コフィアエクスリブリスさんで働くみんみんさん。彼女がまとう柔らかい雰囲気は、訪れる人を「ほっ」とさせてくれます。




▲ニンニのキーボーディストとしてのみんみんさん。どこか懐かしく温かみのあるオルガンの音色が耳に心地いい。


3人の出会いは新宿のライブハウス「Motion」


──代官山「晴れたら空に豆まいて」でのライブ、とてもよかったです!今日はぜひニンニについて色々お聞かせください。まずはバンド結成の経緯について教えていただけますか?

ありがとうございます!実はニンニはそこまで長く活動してはいないんです。2015年の10月に結成してスタジオに入り、2016年6月からライブを始めたので、バンドとしてはまだまだ駆け出しです。



──みんみんさん、なるけさん、かみむーさんの3人はどうして集まることになったのでしょう?

出身地も通っていた学校も違うんですが、メンバー3人とも10年以上前から面識があったんですよ。

当時それぞれ別のバンドをやっていて、新宿にある「Motion」というライブハウスでよく対バン(バンドが複数出るライブ)をしていました。なるけとかみむーは漫画の趣味がすごく合うことから友達になっていて。私はなるけがやっていたバンドと一緒に対バンする機会が多く、彼から漫画を貸してもらったり、オススメを教えてもらったりしていました。そんな風に繋がりが続いていて、その後10年経った頃に、「cryv(クライフ)」という双子ユニットのバックバンドとして我々が集結したんです。



──cryvさんが3人を繋いでくれたんですね!「みんみんさんの音がいいから是非!」と呼ばれた感じですか?

私から「やりたい!」と言いました。cryvは元々、打ち込みという録音した音を流しながら演奏するスタイルだったんですが、ライブを観たときに、「これを生でやったら面白そうだ」と思ったんです。私が入った時は既になるけがべースとして加入していました。ドラムは別の人がやっていたんですが、その人が出られなくなった時にピンチヒッターとしてかみむーが来たんです。それで3人が揃うことになりました。

その後cryvは生バンドでの活動をしなくなって。でも私たち3人は動けるし、試しにセッションを始めてみたら、「いいかもしれないね」と。それでバンドを組むことになりました。





▲リーダーでギターのなるけさん(上)、ドラムのかみむーさん(下)。2人の最初の会話はさくらももこさんの漫画「神のちから」だったそう。



ニンニが表現するもの


──ニンニというバンド名の由来は何でしょうか?

ムーミンに登場するキャラクターの名前から取りました。3人ともムーミンが好きだったのと、なるけがこれまでやってきたバンドやユニットの名前もムーミンのキャラクター名から取ったものが多かったというのもあって。



──ムーミンにはたくさんの魅力的なキャラクターが登場しますよね。あえて「ニンニ」を選んだのは、彼女のバックグラウンドとバンドの方向性が合致していたからですか?

最初は響きや文字の見た目で気に入っていましたが、ニンニの暗い生い立ちとバンドの雰囲気はなんとなく似ているかもしれませんね。

ニンニというバンドは「シンプルなポップ」を目指していて、その根底にはブルースがあります。音楽のジャンルのブルースではなくて、切なさや哀愁を取り入れたいと思っているんです。なので最初は夕方のイメージで曲を作ったりしていましたね。今は夜中とか、朝方とか。時間帯ばかり気にして作ってるわけではないですけどね(笑)



──あはは(笑)ニンニらしさを出すために、曲作りで気を付けていることはありますか?

できるだけ難しい感じにならないようにしています。もともと複雑な演奏はあんまり得意ではないですし、シンプルな方がイメージが伝わりやすいと思っていて。他のバンドだともっと弾いてくれと言われることもあります。そこをあえてどんどん弾かない。隙間も音楽として感じていただけたらいいかなって思います。

でも実はそういうのだけではなく「ダンスミュージックにしたい」という想いがあって。やろうと思ったらドラムの叩き方次第でノリノリにもできるんでしょうけど、なるべくかみむーに音を抜いてもらって、コテコテのダンスミュージックにはしていません。気づかないうちに、無意識に、水面下でのれるようなグルーヴを感じてもらえたら嬉しいです。





▲演奏中の緊張がほぐれる緩やかなMCタイム。メリハリの効いた見せ方もニンニの魅力の一部。


──そういえばライブ中、お客さんが演奏に合わせて体を左右に揺らしていたなぁ。皆さん無意識にニンニの想いを感じているんですね。でも、インストバンドだと言葉がないから、思い描いた世界観を曲に込めるのが大変そう。

お客さんもバンドのメンバーもそうですが、歌詞がない分イメージを共有するのが難しいかもしれないですね。でも歌のない音楽にも良さがあるので、それを伝えることができるといいなって思います。私自身ずっと誰かの歌のバックバンドをやってきていて、歌も歌を惹き立てる為の演奏も大好きで。実はインストのバンドってほとんどやってこなかったんですよ。



──そうだったんですね!歌の有り無しで演奏の仕方も変わってくるものなんですか?

全然違うんです。歌い手さんがいらっしゃる場合はメロディが既にあるんですが、ニンニでは今は私がメロディを担当しているので、始めの頃は大変でしたね。

自分の中でニンニは挑戦です。得意な分野ではなかったところに足をつっこんでみました。今まで伴奏ばかりやっていたので「誰々のバックバンドです」という感じでした。でもニンニを結成して、自分のお店を持ったような気持ちが出てきました。

慣れないメロディを担当するのも大変ですけど、自分のバンドっていう責任感みたいなものを感じることは、私にとって大切な経験になっていると思います。


──ニンニの曲は「かえりじたく」や「閉会式」など、曲名からも切なさを感じます。どういうタイミングでつけているんですか?

曲の制作途中や完成後に付けています。イメージ付けというか、曲名は唯一の言葉なので、強く印象に残ってしまうから慎重に選んでいます。一度決まった曲名でも、その後納得いかなくて何度も変えたものもありました。







──イメージ付けという点で言うと、ニンニメンバーのイメージイラストも世界観を演出するのに一役買っていますよね。どうして三好愛さんに描いてもらうことに?

かみむーが三好さんの絵の展示会に行く機会があったんです。そこで一目惚れをして、こういうイラストレーターさんに描いてもらえたらいいねという話をしていたら、快く引き受けてくださって。三好さんの絵も暗かったり、でもかわいい感じもあって、ニンニの世界観と似たような雰囲気がありますよね。



みんみんさんとオルガン


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──オルガンはいつ頃からやっているんですか?

今使っているオルガンを買ったのが22才の時でした。中古の楽器屋さんで一目惚れをして、ずっとそこで弾かせてもらっていました。当時は学生だったので、楽器を買うようなお金もなくかなり悩んだんですが、やっぱり欲しいと思って連れて帰りました。
いろいろな楽器を試しましたが、最終的にメインで使っていたのはオルガンになりましたね。優しくて、ちょっと懐かしいような音が好きだったし、なんとなく自分に合っているなって。



──オルガンの懐かしい音色がニンニの曲に哀愁をもたらしているのかも。小さい頃から音楽でやっていきたいと?

エレクトーンをやっていたので、その影響もあるかもしれません。母がピアノの先生だったんですよ。でもなぜか私にピアノを習わせず、別の先生のところでエレクトーンを習いました。ピアノは個人レッスンが多いと思いますが、私が通っていたエレクトーン教室はグループレッスンでした。そこで他のパートと合わせるということを覚えたのかもしれません。



──小さい頃の経験が今に繋がっていると思うと不思議!子供の頃も何か音楽に関する活動をされていたんですか?

小学校1年生の時にとても歌の上手い子と友達になって、その子の歌の伴奏をずっとやっていました。高校になってからはグループを組んでライブハウスに出たりしていて。彼女は歌が上手いから、それを惹き立てるにはどうしたらいいかと考えるいい機会になりました。その子の影響はとても大きいですね。

大学もその子と一緒に東京へ出てきて。途中でアメリカの音楽大学に行ってしまったんですが、卒業して地元に帰ってきた今はジャズボーカルをしているんですよ。




コフィアエクスリブリスさんとの出会い




──みんみんさんは音楽以外に何か好きなことはあるんですか?

コーヒーが好きです。以前は井の頭公園にあるブルースカイコーヒーというコーヒー屋さんで働かせてもらっていました。そこの店主が、ここのコーヒーの大ファンで、「コーヒーに関わる身として一度は飲みに行ってごらん」と勧められて。それで来てみたら、今までの概念を覆すコーヒーがたくさんあったのでビックリしました。

そこを辞めたあとはコーヒーと全く関係のない仕事に就いていたんですが、コーヒー屋さんの仕事にまた戻りたいなと考えていたところを、太田原さんに拾っていただきました。

コーヒー屋さんのお仕事はお客さんから「ありがとう」とダイレクトに言ってもらえることが嬉しいんです。それが自分には合っていたのかも。ここのコーヒーが一番美味しいと純粋に思います。だから働かせていただけていることを本当に感謝しています。しかもバンド活動までさせてくれていて。



──太田原さんは本当に優しい方ですね。下北沢でよく行かれるお店はありますか?

好きなお店はミルカさんと、茄子おやじさん。

ミルカの山田君たちはよくうちのコーヒーを買いに来てくださいます。私たちもミルカさんのお花が大好きで、よく買いに行ってます!



──すごい、相思相愛だ!(笑)最後に何か伝えたいことがありましたら、一言お願いします!

今はニンニ主催のイベントが多いので、いろんな方々のライブにもお邪魔させて頂けたら嬉しいです。垣根を越えて音楽に限らずいろんなジャンルの人とやりたいですね。それから、コーヒーを飲んで一息つくように、ニンニの音楽も誰かの生活の一部に取り込んでもらえるようになれればと思います。


3月27日にライブがあります!よかったら来てくださいね!

ニンニ、6th LIVE!! 豪華ゲストを迎えてのニンニの自主企画ライブです。
また、第一弾音源も販売開始します。見どころ盛りだくさんのライブです!!




  • 2017/3/27(月) 「なるけのじかん」 in 代官山・晴れたら空に豆まいて

  • open 19:00 start 19:30

  • adv. 3,500 door. 3,800 +1D 600


  • 【出演】

  • ニンニ

  • Special Session



  • 【Special Session Member】

  • ・灰野敬二(不失者、THE HARDY ROCKS)

  • ・KERA(有頂天、ケラ&ザ・シンセサイザーズ、No Lie-Sense etc.)

  • ・BOBO

  • ・なるけしんご(ニンニ、ti-ti.uu)


  • 引用元: http://ninny.tokyo/live/






インタビューを終えて


2017年1月31日に代官山で行われた「ニンニ 5th LIVE」にお邪魔してきました。
静かなギターのリフと、ゆったりとしたドラムのリズムが心地よく。オルガンの懐かしい音色の影響なのか、演奏を聞いているとなぜか子供の頃の情景が思い浮かびました。目を閉じると、遠い昔にダイブしそうになる不思議な感じ。ライブの途中、ステージに向けていたカメラを下げ、しばしの間聴き入ってしまう程でした。

私が曲から感じたことは、もしかしたらニンニの皆さんが伝えたいことからは外れていたかもしれません。それでもみんみんさんは「感じる人それぞれでいいんです」と、優しく微笑んでくれました。

クラブやダンスフロアで流すようなものとは一味違う、新感覚のダンスミュージックをぜひ生で体感してみてくださいね!
ニンニの楽曲の視聴はこちらから。

ライター

ローカルデータ編集部

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