2017.04.27

【インタビュー】入居者を幸せにする空間プロデューサーを目指していきたい。池上正芳さんインタビュー

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池上さんの経営哲学についてお話ししていただいた前編に続き、後編ではリノベーションタイムの蒲谷社長を交え、2人が行っている賃貸リノベーションについて対談をしていただきました。


二人三脚でここまで来た


──リノベーション会社は他にもたくさんあると思いますが、なぜ蒲谷社長にお願いしようと?

池上:住むことによって、その人の生活や人生が変わるような部屋を目指していきたいという僕の気持ちを、蒲谷社長が真摯に受け止めてくれて、そういう部屋作りをしていきたいとおっしゃってくれたから。僕は部屋を準備する側だし、社長はそれをコーディネートしてくれる。お互いにいい相棒なんですよね。二人三脚でここまで来た感じです。今まではこういうのをやりたいと思っても、近くにそれを受け止めてくれる人がなかった。






──お互いの目指すものが同じなんですね。蒲谷社長は池上さんに対してどんな想いを持っていますか?

蒲谷:池上さんにいろいろやらせていただいて、育ててもらったという気持ちが大きいです。今は費用対効果を常に考えて、なるべく安くリノベーションを提供できないかと考えています。なので今回はキッチンを一度見切って、部屋だけでどれくらい勝負ができるんだろうかという挑戦をしています。ある程度のお金をかければいい部屋を作れるということがわかったから、その先はどれだけコストを抑えて、いい部屋を作っていけるかというギリギリの挑戦です。

池上:実はこの部屋ではそういう背景があるんです。リノベーションの費用を抑えるということは、部屋のクオリティは今までと同じで、家賃が若干安くなる。入居者さんからしてもメリットがあるんですよ。キッチンよりも生活の場を重視している人だったらすごく気に入ってくれるんじゃないのかなって思います。



──リノベーションされた部屋には、どういった方が入居されるんですか?

池上:オシャレな部屋に住む人はインテリア関係、販売系の仕事をしている人が多いですね。クリエイティブな仕事に就いてくれている人が探してくれているのかなって思います。クリエイティブな仕事をしているのに、普通の部屋に住んでいたら感性が磨かれない。逆に言えば、普通の仕事をしている人も、こだわった部屋に住んだら考え方が変わってくるんじゃないかな。



──確かに。オシャレなお部屋だったらインテリアとか、洋服とかもこだわりたくなりますもんね。

池上:そうそう。例えば休みの日にコーヒーを飲みながらゆっくりする時も、自分のお気に入りのファイヤーキングのカップで飲んだらもっと美味しく感じるんじゃないかな。いい雰囲気の中で自分自身が癒されるというか。

蒲谷:スピーカーもそうですし、時間を変えてくれますよね。

池上:ハンガーひとつとってもそう。プラスチック製のハンガーは100円で買えますけど、アイアンのハンガーは2000円くらいするかなと思ったので、プレゼントしたら喜ばれました。自分のお気に入りの洋服を飾るときは、そういうオシャレなハンガーを使うのかなって。





白の使い方が他の部屋とは異なる


──いい環境が自分を変えてくれるなんて素敵!今回のリノベーションしたお部屋の中で、池上さんはどんな所が気に入りましたか?

池上:入って一番いいと感じたのが「白の使い方」。賃貸物件の部屋って圧倒的に白が多いんですけど、そういうものとは全く違う白ですね。同じ白なのに、素材次第でこんなに違うんだって。そこが蒲谷社長のすごいところ。

蒲谷:最初は白の壁に白の床で普通になってしまうんじゃないかと恐怖を抱いていました。でも完成したらすごく良くて。大工さんと一緒に2人で「いいねぇ」って眺めていました。池上さんからも「白でよくやったな」って言葉をもらって。「そうなんですよ!」って思いましたね。



──感性が近いんですね。他にはどんなところが?

池上:あとはコンクリートの打ちっぱなしもいいよね。最初の頃は清潔感がないんじゃないかと思っていたんだけど、「こういうのが若い人にはいいんですよ」って蒲谷社長が言っていて、僕もだんだんとわかるようになってきました。

蒲谷:この物件は僕が壁を触っていた時にコンクリートの手触りがしたから、剥がしたら出てくるかな?って思って。それでちょっと剥がしてみたらコンクリートが出てきたから、このままいきましょうって職人さんに伝えました。壁紙をコンクリートから剥がすのってめちゃくちゃ大変なんですよね。僕も手伝ったんだけど、心が折れそうになった(笑)

池上:ワンルームの小さいところだと収納がなかったりしますが、ラックが付いていると空間をうまく利用できるからいいですね。洋服をたくさんかけられるし、上にも乗せられる。収納は隠さなきゃいけないっていうイメージがあったけど、見せる収納をしてもいい。前に入居された方は靴が好きで、靴をラックの上にたくさん置けることに対してとても喜んでいました。


──有孔ボードに関してはいかがですか?

池上:蒲谷社長はスニーカーが好きで、あの部屋に自分のスニーカーを並べているじゃないですか。だからあの空間にいることで満足感が得られているんじゃないかな。洋服が好きな人にとっても、タンスの中に収納するよりも壁にかけて、自分の好きな服を常に見れるのがいいのかなって思います。何か趣味のある人は、それに関してお金をかけることをいとわないじゃないですか。安い靴を買ったり、店員さんに値引きを迫ったりもしない。そういう人たちは長く住んでくれるというのもあるし、実際に借りるとき、交渉をせずに即決してくれました。







店舗をイメージしたデザイン


──お部屋が完成した後はどんな想いでした?

池上:自分がここに住みたくなってしまって、時々来て出来上がった部屋で音楽を聴きながら、しばらしく癒しの時間を感じています。娘を嫁に出す親のような心境ですね(笑)決まるのはいいけど、早く決まっちゃうとこの部屋といられる時間がなくなっちゃう。

蒲谷:それだけの想いを持ってくれると嬉しいですね。



──池上さんは店舗の雰囲気を賃貸物件に取り入れたいと考えていらっしゃるんですよね。

池上:そうなんです。僕はたまたまカップケーキ屋さんを見て、あの雰囲気を賃貸物件に取り入れたい、ってなったんだけど、蒲谷社長も店舗をイメージしてるんだよね。

蒲谷:そうですね。店舗っぽさを賃貸に出すことが差別化です。照明に関しても、住宅感を出さないような工夫をしていますね。工事中は普通の照明がついてて、その時は普通の部屋なんだけど、レールライトに変えるとぐっと店舗感が増すんです。

池上:電気のコンセントの位置も気にしてるって言ってたよね。

蒲谷:そうなんです。細かいところだけど、意外と重要で。スピーカーって上に置いた方がいいんですけど、普通の収納にはコンセントがないから、スピーカーを置くと下までコンセントを垂らさなくちゃいけなくなる。それは嫌なんですよね。だからスピーカー用のコンセントも付けてます。



──今までリノベーションタイムに施工を頼んだ物件で、気に入ったものはありますか?

池上:同じテーマでも、それぞれの良さがあって、全部気に入っています。中でも一番衝撃的だったのは三宿のカリフォルニアナイズかな。

蒲谷:あれは僕も気に入りました。あの広さの中で、すごくいい間取りができたなって。

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▲池上さんが一番衝撃を受けたという三宿カリフォルニアナイズ。詳細はこちら

池上:カリフォル二アナイズができてから、隣のマンションにも同じような部屋を2つ作ったんだけど、あれのさらにパワーアップしたものが2つ出来上がって驚いた。同じくらいの間取りだったので、普通だったら同じような部屋ができると思うんだけど、それぞれが全部違う印象の部屋だったんですよ。リノベーション雑誌にも取り上げられました。リノベーションのお手本みたいな部屋ですね、って記者の人が書いてましたね。

蒲谷:いい部屋を作れたと自分でも思います。本当に池上さんにいろいろやらせてもらって、育てていただいたので、これからも期待に応えられるような仕事をしていきたいと思っています。


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▲カリフォル二アナイズの後に完成した部屋のひとつ、「NYC GREEN 三宿」。同じような間取りでも、ガラリと印象が異なる。詳細はこちら


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▲もうひとつの部屋、「古材と音楽のある生活」。詳細はこちら



▲現在リノベーション中の池上さんのマンション(世田谷区三宿)。壁を有効ボードに、床をヘリンボーンにするんだそう。事務所使用も可能だそうです!ご興味のある方は、info@localdata.jpまで。


インタビューを終えて


池上さんの用意した部屋を、蒲谷社長がリノベーション、コーディネートする。お互いにいい相棒だという2人は、「住む人の生活や人生が変わるような部屋作りをしたい」という共通の旗を掲げ、それに向かって二人三脚で走っていっているように感じました。今現在も、新たな挑戦に取り組んでいるそうで、今後どういったこだわりの部屋を見せてくれるのか、楽しみですね。




【大家さんインタビューvol.1 前編】入居者を幸せにする空間プロデューサーを目指していきたい。池上正芳さんインタビュー
なぜリノベーションを取り入れようと思ったのか、高家賃でも入居者に喜ばれる賃貸経営とは何か。池上さんの経営哲学について、じっくりとお話をうかがいました。

ライター

ローカルデータ編集部

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