2017.05.30

【インタビュー】いろんな人たちが交差して、集まれるお店を目指すインテリアショップ「PUBLIC」富田和恵さんインタビュー

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下北沢の喧騒から少し離れたところにある「PUBLIC」は、メンズライク、インダストリアルなインテリア雑貨、DIY商品などをあつかっているインテリアショップ。

コンセプトはお店の名前の通り、「それぞれの目的で様々な人々が集まる、立ち寄れる、身近な場所」。今後は「いろんな目的」という部分を色濃くしていくため、インテリアに加え内装や運営会社である不動産業にも力を入れて活動していくとのこと。

今回のインタビュイーはインテリア業界で長く働かれていたという、PUBLICディレクターの富田和恵さん。今に辿り着くまでの道のりから今後の活動まで深堀していきます!


▲インタビューを受けてくれた富田さん。インテリア業界で培われた知識とセンスで、アーティスティックな空間作りをされています。


自分も人も幸せにできる


──茄子おやじさんのインタビューではお世話になりました!まずは富田さんの今までの経歴を。ずっとインテリア業界にいらっしゃるんですか?

アパレルにいたり、あとは映画館とかもあったな。基本的に好きなことしかしてこなかったですね。で、だんだんインテリア・雑貨っていう道が自分のなかで見えてきて、そこからはずっとです。一瞬離れたりもしてみたんですけど、やっぱり結局戻ってきちゃうっていうか。


──そうなんですね。結局インテリアをやっていきたいと思うようになったのはなでしょう?

まず好きってことが揺るぎなくて。その好きなことに関わりながら自分が表現することで、人が喜んでくれるっていうところというか。自分だけじゃなくて、人も幸せにできるところが一番じゃないかな。本当にいろんな人に会って、いろんなお言葉をもらったり触れ合って。それがかさなって、気持ちが大きくなっていったという感じで。大変なんですけど。インテリア・雑貨って。


──実際どんなところが大変なんですか?

華やかに見えても、華やかな部分だけをお客さまに見せてるだけで、やっぱりこう、裏というか。表に出すまでが大変な仕事ですけどね。それも含めて好きなんですけど。


──後ろでの準備とか?

うん、仕込みみたいな。どの職業もそうなんだろうけど。でも「ただの物」が仕込んでいく過程でどんどんどんどん…なんだろうな、商品になっていくというか。手を加えることによって、どんどん活き活きしていくっていう過程が好きで、それをお客さまに見せて、感じ取って喜んでもらえるっていうところも。お店はやっぱり夢があるところだと思うので、その夢を作るまでの準備をしてるって感じですかね。


──商品一つにしても、準備をする人によって何か変わったり?

あ、違うと思いますよ、お店によって。私いろんなお店を見るのが好きなんですけど、物販に限らず、愛情があるお店と、そうじゃないお店っていうのは、私なりに感じちゃうんですよ。そうじゃないお店は、悲しくなります。すごい、残念だなぁって。愛情持ってるところは、業種問わずすごく共感するし、応援したくなるし、好きになりますよね。



▲店内の一部はリノベーションのモデルルームに。




いろんな人たちが交差して、集まれるお店


──ところでPUBLICってそもそもどんなお店なんですか?

ざっくり言うとコンセプトが、名前の通り「いろんな人たちがいろんな目的で集まるお店」っていうのを目指していて。今後の話で、実はこれからWEB不動産が立ち上がるんですけど、弊社はリノベーションもやっていて、それとインテリアの一体型のお店にしようっていうことで、昨年の10月に下北沢に移ってきたっていう経緯があって。下北沢店の前に三軒茶屋で営業してたんですけど。ここが先にも言った、不動産目的、リノベーション目的、インテリア目的で来たりっていう、いろんな人たちが交差して、集まれるお店を総称してPUBLICっていう場所になればいいなと思ってます。


──実際そうなれているなって実感することは?

いや、これからじゃないですかね?まずはインテリアは立ち上がって、ここからまた商品なり見せ方なりを変えようとは思ってるんですよね。リノベーションというか、ちょっと工務や内装の方を強くしていきたいっていうのもあるので、そこも押し出しつつ。皆さまに何をやっているか、何ができるかっていうのをわかりやすく表現できたらなっていうところで。


──今、茄子おやじさんのリノベーションやってますよね。

そうですね。工務、先走ってるんですけど(笑)


──ははは!(笑)いろいろなタイミングが重なってポンポン進んでいった感じですかねぇ。

そうなんですよね。いいタイミングで知り合えて、やらせてもらって。いいきかっけをもらえて感謝しています。茄子おやじさんのところは、いよいよの大詰めをむかえているんですよ。そこからいったん落ち着いて整えて、また進んでいきたいなっていう感じですかね。



▲茄子おやじさんが湘南のカレーフェスに出展する際に使う看板を製作中の富田さん。こういうこともやるんですね!


▲フェス後はお店の看板に。



──富田さん自身はやってみたいことあるんですか?

私は店舗運営の経験が長いので、何かお店の手伝いをリノベーションの一貫としてできたらなっていうのはありますね。例えば大がかりな改装じゃなくても、ここだけ一部変えたいんだっていうのや、空間ディスプレイでもいいですし、ご相談に乗れたらなっていう。あとは物づくりとかもすすめていきたいですね。

オリジナリティを出していって、それをわかりやすく提示していきたいなっていうのもあるし、そこが足りないんじゃないかな。これやりますって言っても、「じゃあどんなふうな?」っていうのが提示できてないから、わかりにくい。そこをわかりやすくっていうのが課題だと思うし、そうじゃなきゃ求める人も出てこないんじゃないかな、と。

そんな意味で工務という幅を広げていったら面白いなって思います。気軽になんでもお手伝いしたいなっていう気持ちなんですよね、こちらができることがあれば、相談に乗って、動きますよっていう。リノベーションっていう言葉自体がちょっと大がかりみたいな印象があるから、一般の方も相談にいらしてもらっても全然構わないと思うし、逆に面白いし。いろんなことを持ち込んでくれたほうが。



──富田さんすごい話しやすいから、話に来たくなっちゃいそう。なんか…カウンセラーみたいですもん。

んー、どうなんですかね(笑)でも、最初は怖かったとか言われますよ。緊張させちゃうみたいで、人を。ちょっと損だなといつも思います。


──損ですか(笑)

そうなんです。ほぉら、全然怖くないよーって。(笑)


──噛み付かないよー、みたいな(笑)

そうそうそう。食べちゃわないよーみたいな(笑)
まぁ、だから気軽に来てください。


──本当この一角がお話するための場所みたい。富田の部屋的な。

実は前からちょっとしたカウンセリングルームみたいになっていて。スタッフだったり、お客さまだったり、お取引先さんだったり。それぞれいろいろなんですけどすごく喋っちゃうみたいで、「いや、こんなに話すつもりなかったのにな」って帰っていくっていう(笑)


表現することと、場所を作りたかった


──今まで経験した経歴の中で、一番PUBLICに繋がってるのって何でしょう?

前職ですね。今とはテイストや見せ方とかも全く違う、ヨーロッパの生活雑貨とアンティークをメインとしたライフスタイルショップのブランドディレクターをしていたんですよ。で、ガッツリお店に関わる全般と、ブランディングを経験させてもらって。そこですごく、いろんなことを勉強させてもらったというか、感じさせてもらったんですよね。
その前もインテリアショップだったんですけど、そことはまた感じ方が違う、もっと深いものを感じることができたんです。PUBLICに参加する前に、自分は何がしたいかなって思ったときに、表現することと、場所を作りたかったんですよ。


──場所というと?

人が、気持ちが交差する場所。それがスタッフとお客さまっていう立場だけじゃなく、お客さまとお客さまでもいい。前職のお店のクローズが決まったときに、顧客さまたちがお店について言ってきてくれたことがあって。例えば来る目的が、ワクワクしたいからという方もいらっしゃれば、落ち込んだ時に癒されに来てたっていう人、自分にとっては特別なお店だったから、ちょっとオシャレしたいときに来てたとか。人それぞれ。
たかがの店舗が、そういう風に人の中に入り込んでいたんだっていうことにものすごい驚かされたのと、感動をして。そういう場をまた作りたいって思ったんですよね。人の生活に溶け込んで、心を動かす場を作りたいっていう思いがあったときに、たまたまPUBLICのコンセプトに出会ったんですよね。


──そういう流れだったんですね。その感動があって、PUBLICに来て今お店に立たれていると思いますが、お客さんへの接客とかで気をつけてることってありますか?

なんだろうな。それこそ神様扱いするわけでもないし、あくまでも対等、平等ではいたいと思ってるんですけど、漠然とお客さまっていう存在にすごく恩があるんです。
もう、本当に辛いときに、結局助けてくれたのってスタッフももちろんそうなんだけど、顧客さまに幾度となく助けてもらっていたんですよ。その存在自体にすごく恩を感じているので、そこだけは裏切りたくないんです。


──裏切りたくないっていうのは?

信頼ですよね。顧客さまと信頼関係ができるように、接したい。作りものじゃない誠意。その思いを態度で示せばいいだけだと思うんだけどな。その場しのぎで調子いいこと言わないみたいな。逆に良くないことは良くないですよって。お客さまに対して正直でありたいなとは思っているかな。


──買わせようとして調子よく勧めたりしないってことですか?

もちろん。買ってもらえたら嬉しいんですけど、買っていただくまでの経緯をすごく大事にしていて。接客というよりは、悩みとか不安を解消したいんですよ。今の生活で気になってること困ってることって、あるタイミングでポロッと言ってくれたりするんですよ。そこを解決してあげたいっていうところですかね。だから買ったあとのことを考えるというか、想像するというか。その商品なりを生活に落とし込むときに不満も解消されるわけじゃないですか。なので、その人や生活にちょっと踏み込んだ接客。踏み込んで悩みを引っ張り出せたときは嬉しいですね。「あ、そこか!そこ気にしてたんだ!」って。


──完璧に心理カウンセラーですね(笑)

あはは!転職しようかな(笑)転職もありかな(笑)


──ありかもしれませんね!

考えておきます(笑)



▲スタッフにご協力いただいて、カウンセリングの様子を再現してもらいました。一見深刻な悩みを打ち明けているように見えますが、「最近悩みあるの?」「実は家のガスコンロの汚れが重曹を使っても取れなくて…」「知らねぇよ!(笑)」という漫才のようなやりとりが。


──商品ってどんな基準で選んでるんですか?

今までの私自身のバイニングの仕方で言うと、まずデザインは言うまでもなくて。質と品ですかね。どうしても安かろう悪かろうのものって絶対あって。でも安くてもいいものはあるし、高けりゃ価値があるかというと全てがそうではない。ちゃんと中身の詰まっているもので、物づくりの背景がついているかというところをバイイングの際は見てきましたね。


──特定の誰かにっていう感じですか?それともこういう層のっていう?さっきおっしゃっていた悩みを抱えている人とか?

お店を気に入ってくれている層や、届けたい層っていうのかな、そのイメージはしますよ。自分の感性も大事だけれど、お客さまの顔は絶対に忘れちゃいけないところ。
なんか趣味で買っちゃったりすると、それは自分の家でやれって思っちゃうんですよね。


──あはは!(笑)自己満足ですもんね。

バイイングもそうだし、お店作るのもそうだし。やっぱりお店を構えているんだったら、そこに人を見ていないといけないことで。全てを押し付けるのはちょっと違うかなって。人を相手に商売してたら、やっぱり人のことは忘れちゃいけないと思うんですよね。


音楽からイマジネーションを得る


──なるほど。インテリア・雑貨以外で興味あるものはありますか?

なんだろうな…音楽は好きですね。


──どんな音楽を?

古いものが多いですね。アナログ感というか温度というか…ジャンルは問わずですけど。


──どういうときに聴くんですか?

イメージするとき。私は音楽からイマジネーションを得るんですよね。それか、歩くんです。悶々としてきたら、「よし、歩くか」って思ってバーッと歩きはじめたりするんですけど。特に自分を盛り上げたいときや、自分の中から出したいときは音楽に後押ししてもらってる感じですかね。


──それがディスプレイにいかされたりとかもするわけですね。

もちろん、もちろん。ディスプレイだったり、デザインだったり、自分が表現するときに手助けしてくれるのが音楽かな。文章を書くときとかも、音楽を無意識に意識しているというか。リズム感だったり。


──富田さんのプライベート聞いていいですか?プライベートはゆるゆるとおっしゃってますけど、それはなぜ?

え!単純に疲れるから(笑)お仕事のとき気張ってるから、常に。私、O型なんですけど。



──はっ!

ビックリでしょう?私と仕事で接する人は、ほぼA型だと思うの。でもO型なの。それがちょっとプライベートに出てるんじゃないかな?


──大雑把というか?

なんか、あんまり気にしないというか。あ、でも仕事のクセが出るときはある。効率とか(笑)ただ、もう全然気の張り方が違うから。


──へぇー!そのへんのところつっこみたいですね(笑)普段は何を?

仕事がアウトプットだから、インプットしてるかな。街歩いたり、見たり。うちにはテレビがないので自分で動いて、捕まえに行くっていう感じで。



──最後に、富田さんが生きてく上で大切にしてることを教えてください!

スケール感が半端なく大きい質問ですね…うーんと、ね。自分の魂に嘘をつかないこと。


──魂ですか。

気持いいか、気持ち悪いか。自分の我を通すということではなくて、私はいろんな意見があってもいいと思ってるの。それが自分にとって気持ちいいかどうか。例えば人を騙すとか、嘘をつくとか、ズルさとか。決して気持ちのいいものじゃないでしょ?そういう気持ちの悪いことをしたくないし、自分の魂を騙したり、捨ててまではしたくない。
仕事もそうで、楽しいか楽しくないかなんだけど、単純に。心がどう感じるかを大切にしてるというか。楽をしたいっていうわけではなくて、それが辛いことでも、苦しいことでも魂が喜ぶときがあるから。そこはブレないようにしてるかなぁ。


──気持いい我慢は辛くても自分のためになるってことですか?

だったり、人のためになること。私、人の気持ちを考えられない人、人のことを考えられない人って、一番アウトだと思うんですよね。イエスマンになれっていうんじゃないし、自己犠牲が美しいっていうわけでも、それを推奨するわけではなくって。信念はシンプルで、そうやって生きていこうと思っています。


──ありがとうございました!すごくキレイにしめていただいて(笑)

ははは!もういいですか?しめましょうか(笑)





インタビューを終えて


初めて会った人を緊張させてしまうことが少し損だという富田さん。でも話してみると、さっぱりした気質で面倒見のいい姉御肌という感じ。親身になって話を聞いてくれるだけでなく、核心をついた意見をズバッと言ってくれ、あれもこれもと相談事を投げかけたくなってしまいました!




【茄子おやじ観察日記 第2章:木板貼り】老舗カレー屋「茄子おやじ」のリノベーションに密着!

2回目のリノベーションが終わった茄子おやじさんへ突撃取材!カウンター席の上部と、店内をぐるりと囲む腰板が自然の風合いを活かした無垢の木板に変わり、温かみがありつつもスッキリした空間に仕上がっていました。





  • PUBLIC


  • 住所    東京都世田谷区北沢2-3-3 第2友和ビル 2F

  • 最寄り駅  京王電鉄・小田急電鉄「下北沢」駅 南口から徒歩3分

  • TEL    03-3421-2002

  • 営業時間  13:00~19:30

  • 定休日   月~木(ECサイトは月・木が定休日)

  • URL    http://publicwebshop.net/




ライター

ローカルデータ編集部

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