2017.07.16

【インタビュー】多彩なジャンルの本がズラリ!クイズ作家仲野隆也さんが運営するブックカフェ

2536view

クイズ作家である仲野隆也さんの運営するブックカフェが下北沢にあるのをご存知でしょうか。店内には仲野さんが資料としても活用している書籍がズラリ。賑わいからちょっと外れたカフェのひとり席でのんびりとコーヒーをいただきながら、様々なジャンルの本を読むことができます。

インタビューではお店のコンセプトから、仲野さんが個人的に好きな本などをお話していただきました。





資料として使っている本を置いているブックカフェ


──まずはお店の説明をざっくりとお願いします。

僕は本業がクイズ作家をやっていまして、金・土・日の13時~22時しかやってないカフェということで、昨年の8月26日にオープンして。クイズ制作と並行しながらカフェの運営をやらせていただいているんです。コンセプト的にはブックカフェなんですけど、僕が資料として使っている本を一部置いていて、みなさんにご利用していただくという形ですね。
基本的に僕はノマド的で。事務所はあるんですけど、フラフラしているので、自分が行きたい店を作りたかった。あとは仕事に活かすかどうかはまた次の展開として、人が接触できる基地を作りたかったっていうところですね。


──下北を選ばれた理由って?

関連会社で馬肉屋さんをいくつかやっていたことがありまして。一昨年かな、下北に店を出して、繋がりができたので。いろいろと場所をリサーチしていた中で、ここが新築でたまたまできたよっていうことで決めました。


──下北に来てみてどうですか?

最初は若い人の街なんだろうなってイメージがあったんですけど、実際店をやっているとそうではなくて。地元が長い人が多いので、結構落ち着いているなって。それまでは芝居とか音楽を観に来ることはありましたけど。


──近隣の方が来てくれるんですか?

それも含めてですけど、店にはWi-Fiもコンセントもあるので、そういう意味では若い人が仕事をしに来るというシーンがありますね。半分は本を読みにいらっしゃる方、半分は仕事をされる方という感じです。


──それは思い描いていた理想の形ですか?人の在り方というか。

男女比も含めてそうですね。意外だったのが外国人が想定よりちょっと多いかなって。


──外国の方ってどういった楽しみ方をされるんですか?

それも半分半分ですよ。仕事をする人もいれば、観光客の人は主に本を読んでいて。それはあまり変わらないですね。







子どもの頃から好きだったクイズ


──クイズとの出会いというのは?

子どもの頃から好きで。母の影響だとは思うんですけど、家ではクイズ番組がついていて。最初は出る側だったんですけども。


──あ、出る側だったんですね。

そうそうそう。仕事としては、FMのラジオの番組をやっていて、それを2000年に辞めて。それからフリーランスでクイズ作家になって、2005年に起業という流れ。だから18年ぐらいこの仕事をやっている感じです。


──クイズ作家ってなろうと思ってなれるものなんですか?

免許も何もいらないので、看板を掲げて「クイズ作家です」って言えばそれでなれちゃう仕事なので(笑)


──声がかかったんですか?

そうですね。最初は知人から紹介していただいて、テレビ局に出入りするようになって。


──仲野さん、クイズ以外で趣味があったりしますか?

趣味ないんですよ(笑) 映画を観たり、音楽を聴きに行くくらいしかなくて。今、金・土・日でお店に入っていて、それ以外も仕事なので、なかなかそういう時間が取れない。本すら読めない状態なので、そこは問題だなと思って。



▲店内にはプロジェクターも。時間があるときは、お店終えた後にビールを飲みながら映画を観ることもあるそう。たまに映画の会とかやってるんだとか。


──仲野さんが作るクイズのジャンルってあるんですか?

ジャンルはなんでも。基本的にこちらから、これを作りましょうかって言うよりは、お題を与えられてそれに対して回答するっていう形なので。


──それって難易度ってありますよね?

そうですね。媒体だったり、もちろんユーザーであったり、ターゲットに合わせて作る感じなんですが、クイズを作るときに一番難しいのが、難易度を合わせることなんですけど。「この人はこれを知っている」っていうのは、それぞれの尺度なので、僕らはそこを覗くわけにはいかないんです。全体的なことで言えば、だいたいこの年代の人、あるいはこの性別だったら、ここまでは知ってるよねっていうようなものは、いろんなデータとかクイズの問題を通した正解率を見たりとかで、蓄積していって判断する。


──膨大な情報が頭に入ってるんですね。すごい。

いや、すごくはないですよ(笑) あまりこうしようという形で選んだ意識はあんまりなくて。なんとなくその時に声がかかったらからとか。今の仕事も積極的に営業してるわけではなくて。ホームページとか開いてますけど、問い合わせが来てるうちにそれをこなしていっているという、それの繰り返しですよね。


──まさに好きが仕事になるっていう。

それはすごいラッキーだし、感謝してますね。



──しかも珍しがられません?クイズ?って。

そうですね(笑) でもクイズを商品として必要としている場所は意外にあってですね。それまではライターさんであったり、テレビのADさんだったりが作っていた。1990年くらいまではそうだったんですけど、それ以降2000年くらいを境にして、僕みたいなのが出てきて、割とその専門職という位置付けに。


──専門の人を求めるようになった背景みたいなのって?

やっぱり媒体が増えたっていうのが大きいんじゃないですかね。アプリだったりとか、出口が形を変えて出てきているので。僕らはその媒体に合わせて。クイズを作る作業で言えば、そんなに変わらないんですよ。


──需要が増えてきているんですね。どういう時に喜びを感じます?

喜びはあんまりないんですよ。エンドユーザーの反応を直接うかがい知るわけではないので。テレビを見ている人、ゲームをプレイしてる人のリアクションは全くわからないので。


──提出して終わりっていう?

そうそう、そうなんですよ。特にオンエアを観なかったりするので、そういった意味ではないですかね。だから逆にここだと直接。もう真逆の仕事なので、それは面白いですね。反応が見れたりとか、美味しかったって言われるとやっぱり嬉しいし。





あえてひとり席だけを置いて、おひとり様の店にしたかった


──ここを作るときに、こういう空間にしようみたいなのって何かあったんですか?

まず、この四角い箱。空間からですよね。トイレの配置決めたりとか、ちょっとだけ執務室が欲しいなっていうことを考えると、必然的に残りは客室になる訳じゃないですか。そうなると本棚の配置がおのずと決まってきちゃうので、このレイアウトしかなかったかなっていう感じですね。

おひとり様の店にしたかったので。あえてひとり席だけを置いて、全部本棚の方を向くようにしちゃっています。


──なるほど!だからこの空間か。一人の世界に個々が入れそうな感じがしますよね、周りを気にしないで。

だから大勢で入っていただくとちょっと不便なんですけど、そこはもう割り切って。


──お洒落な図書館という感じ。

すごい静かですよ。だから皆さん気を使っていただいて、「おしゃべりしていいですか?」とか、「持ってきた本を読んでもいいですか?」っていうのをよく聞かれます。


──場が訴えるような気がしますね。あまり騒ぐなよっていう(笑)

いえいえ、こちらからは何も言ってないんですよ。そういう風にしてくださるので助かります。


──なんか、落ち着きますよね。仕事したくなる感じがします。

前の事務所が自宅の近くにあったんですけど、そこはもう本棚がひたすらあるだけで、なかなかそこで仕事をしようという定位置にはならなかったんですよ。


──仕事場だけど(笑)

そうそう(笑)ほとんど書庫っていう感じであんまり行かなかった。だけどここはね、過ごしやすいので来ちゃいますね。



▲ホテルのラウンジのような落ち着き。仲野さんの好きなネイビーとグレーをベースにデザインしてもらったそう。インテリアや雑貨もお好きだそうで、セレクトや細部のパーツにもセンスの良さが伺えます。




総数2万冊超えの本


──資料となる本の選び方ってどういう?

ジャケ買い、みたいな感じです。この装丁であれば、こういうことが書いてあるだろうなって。


──割と知識本というか、専門本みたいなものなんですか?それともフィクション?

それは用途によりけりですね。単にクイズの回答だけを調べたいっていうのであれば、辞書的なものが役に立ちますし、そうでない背景を含めた、解説を読ませたいっていうものとか、もうちょっとトリビアネタが欲しいっていうものであれば、違う角度で本を探してみたり。


──個人的には、どういった本が好きなんですか?

僕、辞書とか地図とか、数字が書いてあるものが好きで。読んでるのは飽きないですね。あんまり面白味がわからないとは思うんですけど(笑)


──あはは!(笑)読むというか、眺めるというか。本棚はジャンル別に?

僕が資料として使えないと意味がないので、一応縦でジャンル別に。言葉であったり、歴史、社会、生活、自然科学、食べ物。そんな感じです。


──収まりきらないですよね。ここ以外にも書庫を?

今4箇所、5箇所ぐらいに。自宅含めてですけど。大型の辞書類は知人の作家事務所に預けちゃったりとか。あとはもうひとつクイズの会社が別にあって、そこに移したりとか。


──総数で言うとどのくらいなんですか?

2万何千冊だとは思うんですけど。でももう、小学校に寄付しちゃってるものもあったりするので。


──とっておきの一番の本っていうのは?例えば幼少の頃にずっと持っていた本とか。

いつの間にかなくなっちゃったんですけど、小学校の低学年くらいの頃に買ってもらった10冊くらいの図鑑セットが原点かなぁと思いますね。「あ」から始まる感じの。写真があって、ちょっとした解説があって。それを眺めているのが好きでしたね。


──へぇー!本って匂いとかも魅力ですよね。

そうですね。でも今なかなか本屋さんに行けなくなっちゃったのが問題なんですけどね。





今後はイベントスペースとしての活用を


──去年オープンして、まだ1年経ってないですよね。こうしていきたいっていうのはあるんですか?

経営的には安定させないとって思ってるんですけど、幸いにして本業があるので。あとは展開として、イベントスペースとしての活用はしていきたいなと思っています。


──何か考えているイベントとかはありますか?

本業のクイズを絡めたイベントだったりとか、ワークショップを昼間、平日を使ってやりたいですね。NYのデパートのディスプレイをやってらっしゃる方が帰国されたので、トークイベントをやったり、苔のテラリウムを作るワークショップをやったり。


──本に絡んだものではなく、そこは自由に?

合わないものはさすがにお断りさせていただきますけども、自由に。この場所を活用してくださるアイディアをお持ちの方は、相談していただけると僕も嬉しいかなって。


──持ち込んで欲しいっていうことですよね。

そうそう。企画はもう全然いつでもウェルカムですね。というのも、まだHPをきちんとできていなくて、「時間貸しをしますよ、月~木空いてますよ」っていうインフォメーションができていないので。よく言われるのが、いつ空いてるのかわからないって(笑)そのへんの露出をきっちりやっていって、僕がいない形でも回していかないといけないなって思っているんですけど。


──月~木曜の貸し時間は自由ですか?

応相談ですね。
たまに撮影に使っていただいたりとか、そういうのはあるんですけど。




──すごくいい意味でなんですけど。仲野さんから下北色があまり感じないというか。

そうですよね。はいはい。僕もそんなに、いわゆる中央線だったりとか、あのカルチャーは特に好きではないんですよ。


──なんかこう…下北批判をするわけではないですけど、洗練されているというか。

いや、洗練はされていないんですよ(笑)
クイズってどうしてもオタクの世界なんですよ。そっちに行くまいと思ってたんですよね。


──あはは(笑)でもこの空間がそこを無言でシャットアウトしてる感じがします。

だから敷居は高いみたいです。


──そこがすごくいいバランスだなって思います。

別に主張してるつもりはないんですけど。距離感というか、あまりどっぷりっていうのはなんでもあまり好きではないんですよ。ちょっと離れて客観的に見てる方が、いろんなことに気が付くから。


──渋谷に事務所があったりとか、拠点が他でも活動してるっていう外の空気を感じます。

ああ、なるほど。そうかもしれないですね。いや、下北は好きですよ(笑)


──あ、私も好きですよ(笑)

大好きです。すごい落ち着くし。


──そういう気持ちを持っているところも、またいいなって思います。



▲女性でも飲みやすいコスタリカ。コーヒーを出すにあたって、セミナーに通ったり、勉強をされていた仲野さん。豆はセミナーに通っていた、世田谷代田の焙煎家から買わせていただいているそう。「自分が飲んで美味しいっていうのだけですね。何種類か飲んでみてというよりは、その方が作る豆であれば。」と仲野さん。





インタビューを終えて


ここは下北沢、ということを忘れてしまう空間。「僕はあんまり(下北に)馴染みがなかったからでしょうね。」という仲野さん。あえて外の空気を下北沢に持ち込こみ、「NYにあるような店に」とオーダーした空間デザイン。その「らしくない」新しい感じが嬉しかったのと、自分の取って置きにしたくなるような落ち着きがあり、思わずここで仕事しようかな…という企みもよぎりました。言葉少なな印象の仲野さんですが、決して不愛想なわけではありません(笑)インタビューを終えた後もフランクに接してくれましたよ。まもなく1年をむかえるRBL CAFEで繰り広げられる様々なカルチャーにも注目したいです!

インタビュー:ミズカ、写真:もんとみ


Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA





  • RBL CAFE


  • 住所東京都世田谷区代沢5-32-12
  • 最寄り駅京王電鉄・小田急電鉄「下北沢」駅 南口から徒歩5分
  • TEL03-6805-2046
  • 営業時間金・土・日:13:00~22:00
  • 定休日月~木
  • URLhttps://www.facebook.com/rblcafe/




ライター

ローカルデータ編集部

このライターの記事はコチラ

あわせて読みたい関連記事

人気記事ランキング

ページの先頭へ