2017.08.20

【インタビュー】ガラリと変貌!大人の癒し空間バー「シンバル」筧千夏さんインタビュー

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女性オーナーの筧千夏さんは、ヨガインストラクターの講師をしながら、下北沢でバー「シンバル」の経営をされています。まだお店を任されて間もないという筧さんは、幼い頃の体験から、リラックスできる癒しの空間を提供したいという思いがあり、それをお店で表現しようと試行錯誤を重ねているところ。

今回はこれから始めるカフェ営業に合わせ、空間のイメージを変えるというプロジェクトに密着。前半はオーナーの筧千夏さんにインタビューを、後半では今回のトータルディスプレイをお願いすることになったという「PUBLICコウムテン」の富田和恵さんと、壁面装花を担当する「milcah」の山田英輔さんにお話を伺いました。



筧千夏さんインタビュー



▲シンバルのオーナーの筧さん。


──まずはお店に関してお話ししていただきたいんですけども。筧さんが運営を任されてから3ヶ月が経ちましたが、いかがですか?

非常に楽しいです。


──どういったところに楽しさを?

ゼロから自分が作っていく過程とか、お客さんたちとの関り合いとかが一番楽しいです。売り上げの面とか大変なことやうまくいかないことも同時にあって、厳しさを感じながらも、それを超えるくらい楽しさがありますね。


──お店を出す場所として下北沢を選ばれた理由って何ですか?

きっかけは主人の地元だったというのがあります。当時下北に物件が全然空いてなくて。たまたまちょうど空いたところがここだったんですよね。
ちょっと背伸びした感じだったんですけど、すごいキレイだったし、ここしかないと思って決めたのが最初だったんです。



──来てくださるお客さんはインスタきっかけの方が多いそうですが、客層が若い方が多い?

オープンした当初は40〜50代。最近は30代〜30後半が増えましたね。
下北のお店は若いというか、ワイワイするお店が多いから、落ち着いた空間で静かな感じで人と関わり合いながら飲めるというのが、あまりない。だからすごく落ち着きますと言ってくれて。こういう場所を探してらっしゃる方が多いのかなって。



──お客さんから言われて嬉しかったことって何かありますか?

人によって感想は違うんですけど、「いいお客さん集まってるね」とか。その人にとっては心地よかったんでしょうね。あとは雰囲気がいいとか、落ち着いているとか。あと(カウンターの)タイルが可愛いってよく言われます(笑)ここは居抜きで使っていて、前のオーナーさんが作ってくれたものなんです。トルコっぽい感じですよね。お客さんに言われて初めて客観的に「そんなにいいんだ」って思って(笑)
主人が家具をこだわって選んだので、座り心地と、しっかりとした心地良さがあります。常に肌が触れているのでそこはこだわりたいっていうのは主人と一緒に話をしていて。



関わりのある場を場所を作って行きたい


──お店のコンセプトってありますか?

「関わりのある場」っていうのを作りたくって。誰かと関わったり、そこに自分の安心できる居場所的な感覚が生まれると幸せを感じると思うので。

父が芸術家だったんですけど、母もリベラルで活動家みたいなことをしていて。部落があるような本当に小さい街だったんですけど、両親はやっぱり異端な感じで。自分の友達とかコミュニティの人たちを集めて、畑で演奏会をしたりとか、いろんな集いをやるような家だったんです。冬は薪ストーブの周りで「これからどうやってこの場所をよくしていくか」みたいなのをよくやっていたのがすごく記憶に残っていて。私は子どもだから別に興味ないじゃないですか。雰囲気だけ見ていたんですけど、普段社会で普通に働いている人たちが、そういうところに来て関わり合って、お酒を飲んで。やっぱりだんだん表情も和らいでいって、最後には来てよかったっていう幸せを感じている様子は子どもながらに感じていて。
自分自身もそういう場所を作って行きたいというのがずーっとあって。安心感を感じてもらえると、やっていることが意味あるなって思いますね。



──だからよくイベントを開催されてらっしゃるんですね。

そうですね。あれは単純に自分が楽しみたいからです(笑)一番はそこなんですけど、結果それが皆も楽しければベストだと思うんです。基本自分が一番楽しいことをやって、それに巻き込まれていく人はもしかしているかもしれないし。


──相乗効果が生まれますよね。

お互いのためにやっているっていう感じ。お互いの知り合い同士がまた繋がっていき、それこそ繋がって安心感が生まれる機会が増えたらいいですよね。


──今イベントってライブがメインという形ですか?

定期的に今のところやってるのがライブ。屋上でビアガーデンや瞑想のイベントをやったりして。今後は占いのイベントとか。奥に小部屋があるんですけど、個室って好きな人もいるけど、なかなかまだ使われたことがあんまりないから、「ちょっと占い部屋っぽいよね」っていうことで(笑)


──占いイベント気になります(笑)

女子は大好きですよね(笑)それもインスタを見てくれたお客さんが、提案してくれたんですよ。いっぱいアイディアをもらって、ピンときたものは全部やるようにしていて。あとは、1日だけバーやりたい、中に入って接客したいという人もいたりするので、営業がお休みの日に立ってもらって楽しんでもらう。


シンバル 下北沢さん(@shinbar.shimokita)がシェアした投稿 -





──ヨガインストラクターは前からやってらっしゃったんですか?

今5年目かな。何を人生でやりたいかって思った時にヨガしかないなって思ったんです。それで始めました。ポーズだけじゃないっていうことも勉強してわかって。養成スクールの方で少し授業を担当させてもらったり、ヨガの仲間や先輩のフォローを受けながら細々と続けさせていただいているので、ヨガの経験から得たものを組み合わせて、何か活かせないかなと模索しています。

例えば瞑想のイベントもそうだし、接客自体がありのまま、自然体っていう。また来てもらいたいっていう思いからそうしてるんですけど。自分が自然体でいることが、相手にとっても心地いいと思うので、そうありたい。家庭でもないし、職場でもない、自分自身でいられる第三の場にしていきたいです。

結果よりも過程(ステップ)を大切にしているヨガのように、ここでも毎回の人との関わりとか、やっていることとか、やっていることに対する取り組み方とか。私の目的は自分自身が一番幸せになることなんですけど、それってなんだろうと考えた時に、やっぱり人が幸せになっている状態が私は幸せだなって思って。みんなそうだと思うんですけどね(笑)それが目的であって、小分けにした目標の一つに売り上げが入っていますけど、一番は「幸せ」ですね。ベースは小さい頃の家庭にあるんですよね。



家庭の味が楽しめるシンバルの軽食


──おすすめメニューはありますか?

今人気なのはカレーとナポリタンですかね。カフェっていう感じにしているんですけど、ずっと銀座で割烹おでん料理をやっていて、カウンターでお惣菜とかあって。落ち着くじゃないですか、ああいうお店って。そういうテイストもメニューに入れていきたいなって思っています。


▲懐かしナポリタン:懐かしさを求めて、この味が食べたいと思っても、なかなか見つからなくなりました。少し甘めの味付けが、ピーマンの苦味と絡まって絶妙なバランス。ケチャップ具合や小洒落すぎないくらいの感じがちょうどいい一品。



▲ハヤシライス:牛肉に玉ねぎ、マッシュルームを使ったシンプルなハヤシライス。食べていて安心する母の味。
季節のモヒート(夏は桃):ミントと桃の果肉がゴロッと入った贅沢な一杯。爽やかなミントの香りは、草原の中にいるような気持ちに。ノンアルコールなのでデザートにもオススメです。



一人でも落ち着くカフェに


──これから土日がカフェ営業になるんですよね。いつくらいにスタートする予定ですか?

8月の末くらいにはプレオープンをして、おそらく14時くらいから。様子を見ながら9月には本格的に。


──どんな内容のカフェにしたいんですか?

カフェにすごい気合を入れているわけではないので、コーヒーとかチーズケーキと今、夜で出している軽食を。カフェだけど夜のメニューが楽しめるよ、お酒も飲めるよっていう感じです。一人で来ても落ち着くようにしたいなって。本を置いてるのも、手持ち無沙汰にならないようにっていうのがありますね。





──この本は筧さんが集めたものなんですか?

主人の父親が建築家で、建築デザインの専門書なんですよ。なので洋書が多いんですけど。隣にRBL Cafeがあるじゃないですか。オーナーの仲野さんと仲良くさせていただいていて、とてもお世話になっているのですが、違った系統の本だったり趣旨でやっているので、そこはかぶらないようにしています。


──半分は筧さん色が出てますね。

自分が好きなやつとか、ヨガ系の本も置いていこうかなと思っていて。なんかいっぱいありますね、やること(笑)


──楽しみですよね!今回カフェをやるためにリノベーションに踏み切ったと思いますが、PUBLICの富田さんに頼もうって思ったきっかけは?

茄子おやじさんのインスタを見たんですよ。おしゃれでスタイリッシュな大人も好きな感性、感覚だなと思って。シンバルはいかにもバーという感じで、もしやるんだったら女性客も来て欲しいし、ちょっと大人の落ち着いた人たちに来て欲しいというのはあったんですけど、リノベーションとか全然そんな気はなくて。

ちょっとPUBLICを覗いてみようみたいな、雑貨とかなんかいいのあったらいいなーくらいだったんですよね。PUBLICって解放はしてるんですけど、皆がわかる場所でもないしって感じで。行ってみたら富田さんが声をかけてくださって。実はこういうわけでって伝えたら「やりましょうか!」ってなって。「いいんですか?」って(笑)
そのときは本当にお店を任されたばっかりで、不安しかないですよね。もうとにかく自分がやらなきゃいけないみたいな感じだったから、誰かにすがりたい一心で。すごいタイミングが良くて。心強くてパワフルだし。



──いろいろ引き出してくれますよね。そのときの富田さんの印象は?

小さくてもパワフルでポジティブな空気が出ていて。初めてのときってやっぱり警戒するじゃないですか。けど、この人だったら騙されてもいいからついていこうって思って。


──えっ!その短時間でそこまで心を許しちゃったんですか?(笑)

そうですね。東京の人怖いけど、騙されてみようと(笑)信頼はありましたよね。





──こうしたいっていうコンセプトとか、デザインは筧さんがお持ちだったんですか?

いえ、全然おまかせだったんです。着想から完成まで3ヶ月ですけど、いっぱい打ち合わせに来てくれて。はっきり言ってくれるから、こっちも言いやすいし、判断してくれるし、理由も説明してくれるから、学びながらできたのがいいですね。
完全に任せると言っても、今後自分でもいかしていけるんじゃないかって思っていたのと、私は田舎育ちで山とか畑に囲まれていたところだったんですよ。東京に来て本当にそういう環境にいくことがなくなってしまったので、やっぱり緑を入れて欲しいと。



──緑が入ると全然違いますよね。最後に今後のこととかあったら教えてもらえますか?

人それぞれ居心地のよさって全然違うと思うんですけども、とにかく安心して来て欲しいです。リラックスして、癒される場所でありたいなって思います。静かに一人で過ごすのもいいし、関わり合ってその中で楽しんだり、ポジティブになれる場所にしたいです。


シンバル BEFORE・AFTER



ここからはトータルコーディネートを行った店内のビフォーアフター画像をご覧ください。

【BEFORE】



【AFTER】




【BEFORE】



【AFTER】



【BEFORE】



【AFTER】



PUBLIC:富田さんインタビュー




──依頼をうけた後、実際にお店を見てみてどんな印象を持たれましたか?

夜の匂いが強いなぁ。バラバラだなぁ。沈んでるなぁ。「店」になってないなぁ。あら困ったな、って思いました(笑)


──どんなテーマにしようと思ったんですか?

カウンターのタイルと家具をベースに、とにかくまず空間の統一感を最重視しました 。テーマはアダルトスタイリッシュヴィンテージというワードを勝手に自分の中に作って(笑)引き算をしてからのミックス感も織り交ぜて表現しようと。


──大変だったことは?エピソードなどがあれば。

いろいろな制限があったことかなぁ。やりたいけど、できないことも多々出てきて。でも結果中途半端にショボくしたくないし、みたいな。これはある意味、何百回とディスプレイしてきた自分への挑戦だと思って燃えましたけどね(笑)
あ!コンクリに穴を開ける作業…これは女がやることじゃないな、と悟りました(笑)



──どうしてミルカさんと一緒にやろうと?

まずは色味とグリーン(植物)で空間全体を繋げていく、というイメージが固まって。グリーンだったら英輔君の感性を加えたいっていうクリエイティブ頭と、単純に一緒に仕事をしてみたいというクリエイティブ欲から。あと、彼の仕事への姿勢が気持ちいいんですよね、無言で共感できるところが多くて。


milcah:山田さんインタビュー




──富田さんからオファーを受けた時、どう感じましたか?

すごい面白そうだと思いました。なかなかそこまで今やるところってあまりないから。一部とかだったらあるんですけど、壁一面って最近あまり聞かなくなったので。


──今ミルカさんでも壁一面に装飾するのは受けてるんですか?

受けてます。全然やれるんですけど、そこまでのクライアントさんがいないから。予想がつかないっていうのもあると思います。なんとなくでは伝わるんですけど、壁も傷つけるし、様子見で。「これいける?本当に?」みたいな。逆に言うと、造花って自然光だとバレちゃうから。





──富田さん、トータルディスプレイを終えた感想をお願いします。

空間のまとまりと雰囲気の底上げができたと思います。ちょっと垢抜けたというか。壁面は立体感と奥行き感、動きが加わって、アートやオブジェを眺めるような感覚を味わうこともできるでしょうし。ボーッとして見てられるっていうか(笑)色々とそれぞれに楽しんでもらいたいですね。


──PUBLICコウムテンとして徐々に進んでいるかと思いますが、どういったところに重点を置いてやってるんですか?または特色みたいなものがあれば教えてください。

強いて言うのならば、ヒアリングですかねぇ。私の感性を信じてもらって任せてもらうのは嬉しいですし、それはそれで全然構わないんですけど。その中でもクライアントさんの趣味嗜好は絶対にあるし、その後その空間で過ごすのはクライアントさんなので。
デザインでも、クライアントさんが求めているテイストなどをつかんだうえで、こちら側がベストだと思うものを提示しています。
当たり前のことなんですけどね、それって。なので、店頭での接客と全く一緒で、ちょっと踏み込んで話しちゃうかな。ちゃんと感じて理解をしたいんですよね。これが特色になるのかはわからないですけれど。






トータルディスプレイを終えたあとの筧さんの感想


すごい世界観。自分では絶対にできなかったことですし、満足度はもう100パーセントです。自分が思っているのと、人から見たこれが合うっていう空間が全然違うっていう気づきがありましたね。服とかもそうなんですけど、自分の好きな服と似合う服って違ったりするじゃないですか。テーマが、カフェ感というのもあったので、こういうプロの方の意見を取り入れながら、お客様がどう反応するのかなっていうのが楽しみですね。植物もめちゃくちゃいいです。
なるほど、空間デザインってこういうことなんだ。自然体でいられる空間作りですね。


インタビュー・写真:もんとみ、構成:ミズカ












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ライター

ローカルデータ編集部

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